CIO輩出を目指すIT系コンサルティングファームの組織展開とは

CIO輩出を目指すIT系コンサルティングファームの組織展開とは

経営理念に「この国の、システム発注の常識を変える」を掲げ、業界変革に挑むGPTech。経営理念の実現を目指した今後の組織展開や組織の在り方について、組織マネジメントを担う取締役の高村にインタビューを行いました。

インタビュアーは、GPTechの経営理念に共感し入社を決めた堀井(新卒1期生/2019卒)が担当しました。 (入社の経緯について: https://blog.gptech.jp/post-468/ )

高村健一(たかむら・けんいち)/ 株式会社グローバル・パートナーズ・テクノロジー 取締役

新卒で株式会社インクス(現 SOLIZE株式会社)に入社し、コンサルティング部門のマネージャを経て、2010年プロジェクトマネジメント会社に転職。役員として既存事業の収益改善、新規事業の開発、及び複数事業の責任者として、6年間経営全般に関わり、売上を10倍に伸ばすと共に組織規模を20人から100人まで拡大することに貢献。

2017年に退職後、中小・スタートアップ企業 8社の社外役員またはアドバイザーに就任。
GPTechには2017年1月に参画しブランドイメージの再定義や中期経営計画の達成にコミット。現在は主に組織マネジメントに関する事項を所掌。

ユーザへの貢献を見据えた経営理念

―― まず、GPTechの経営理念についてお伺いします。なぜ今「この国の、システム発注の常識を変える」ことが必要なのでしょうか?

高村:理由は、現在日本で行われているIT投資プロジェクトの多くが上手くいっておらず、プロジェクトの成功率を上げるためには慣習化している“常識”を変えていく必要があるためです。

高村:実のところ、近年IT投資プロジェクトの成功率は改善傾向にありますが、2018年に実施された日経コンピュータによる調査の結果では、「成功とされるプロジェクトは全体の52.8%」という結果が出ており、依然としてプロジェクトが成功する割合は高いとは言い難い水準です。

高村:では、プロジェクト成功率が上がらない要因はどこにあるのでしょうか。
私たちは、要因の一つは「ユーザ企業側の体制にある」と考えます。具体的には、ユーザ企業がIT投資を行う際、その体制が不十分であることから“システム開発は開発会社(SIerなど)に丸ごと任せてしまいたい”という意向が生まれ、ある意味で主体性を欠いた姿勢が、結果的にIT投資の成功率の下振れに大きく関わっているのではないかと考えています。

高村:とはいえユーザ企業と比較した時、SIer等の開発会社の方が立場上ITに関する知見やノウハウは深く、その上でユーザ企業側が主体性をもってIT投資プロジェクトをマネジメントする、ということはあまり現実的ではありません。

―― IT投資プロジェクトの成功においては、ユーザ企業が主体性をもって関わることがキーになるとのことでした。その一方で、ユーザ企業の内部だけで主体性を持つに十分な体制を準備することは、現実的には中々困難だということでしょうか?

高村:はい。その解消のため、GPTechはユーザ企業側に立ち、システム発注などのIT投資をユーザ企業担当者と二人三脚で進めることで、ユーザ企業としての知見の底上げに貢献し、かつシステム発注における“常識”のアップデートを実践しています。

高村:とはいえ、GPTechは小規模な会社です。会社の規模的にも直接支援できるユーザ企業の数は限られます。その状況を踏まえ、規模の弱みを多少なりと解消するための対策として、今後は対ユーザ企業向けにITコンサルティングに関わるナレッジやノウハウの提供サービスを立ち上げを考えています。労働集約的なアプローチによる課題解消とユーザ企業の知見の底上げを図り、オンラインで完結することを想定した新たな支援方法を検討しています。

高村:システム発注の“常識”を変えていくためには、ユーザ企業に実際の体験を通して“新たな常識”を体感いただくことが必要条件と認識しています。そのためには、一貫してユーザ企業の体制や知見などの強化を目的としたソリューションを様々なアプローチにより提供していく必要があると考えます。

これまでの取り組みと現状の課題

これまでの取り組み

―― 組織改革のためにこれまでどのようなことに取り組んできたのでしょうか?

高村:具体的には、ブランドイメージの再定義、新卒採用の開始、育成・評価制度の改革に取り組んできました。

高村:まずブランドイメージの再定義について、2018年にコーポレートサイトのリニューアルを行いました。目的は、GPTechの経営理念やその背景にある問題意識がどのようなものか、社内はもちろん社外に対してより力強く正確に伝えるためです。

高村:再定義にあたっての取っ掛かりとして、社内メンバーで「外部からGPTechがどのように見えていて、かつどう訴求すれば経営理念を力強く正確に伝えることができるのか?」について検討しました。しかし、内部の視点だけでは客観的に捉えきれなかったため、外部のブランディング会社に委託し、ブランドイメージの言語化に協力いただきました。

高村:対話による壁打ちによりブランドイメージの言語化を進める中で、メッセージもまた明確になりました。それらを基に、代表の坂本と私(高村)で考え抜いた「経営理念」をトップとする各概念の定義が以下の図に記載したものです。

参考「ブランドイメージ再定義に向けたストーリー」(外部サイト:ジャンプ(株)):https://jumpers.jp/project/4325

高村:また、経営理念は作っただけでは一人歩きしてくれません。そのため、経営理念の浸透を目的の一つとして、社外はもちろん社内に対してのエバンジェリストとしての役割を期待して新卒採用を開始しました。

高村:新卒採用の開始に伴い、中途社員も含めた社内教育や評価の在り方の見直しを行い、即戦力を実現する育成システムの構築や行動指針を組み込んだ評価制度の整備、運用も並行して進めました。

現状の課題

―― これまでの歩みについてはよく分かりました。現在、理念の実現に向けて課題に感じていることは何でしょうか?

高村:結論から言うと、会社規模―つまりコンサルタントの人数とコンサルティングの質が課題だと考えています。

高村:「経営理念の実現とは何か」を考えた時、一つは社会に与える影響度で測ることが可能だと考えます。影響度は“広さ”と“深さ”で構成されますが、私たちの事業における社会的な影響度を測る上では、“広さ=コンサルタントの人数”であり、“深さ=コンサルタントの質”だと考えます。

高村:まず“広さ”である「コンサルタントの人数」について、2020年6月現在GPTechは21名の従業員で構成されており、会社規模上、社会に与える影響力はそう強くありません。 影響度合いを高めていくために、経営理念に共感するITコンサルタントを増やしていくことは不可欠であると考えており、一つの目安として将来的に100名体制のITコンサルティングファームを目指しています。

高村:次に“深さ”である「コンサルタントの質」について、私たちは業界全体に対する問題意識や経営理念への共感、スキルセットを備えた人材を必要としています。

高村:コンサルタントの質は「理念の共感×熱意×コンサルティングスキル」で構成されますが、採用面では、特に理念の共感と実現したい熱意に重きを置いて、採用応募者とすり合わせを図っています。

高村:なお、スキルに関して、IT業界は技術の進化のスピードに合わせて日々のキャッチアップが求められる業界であることから、社員に向けた学びの機会の提供にも注力しています。具体的には、トレンドを考慮してテーマ設定した研修を定期的に実施しています。
(https://blog.gptech.jp/category/blog/%e6%96%b0%e4%ba%ba%e7%a0%94%e4%bf%ae2020/)

GPTechの今後の展望

―― 今後の展望についてどのようにお考えですか?

高村:「CIOアウトソーサー」を中核事業に位置付けるGPTechの今後の展望として、2つ考えています。

事業会社CIOポジションの兼任

高村:まず1つ目は、事業の一環として事業会社でのCIO(最高情報責任者)兼任による貢献を目指しています。コンサルティングファームでの知見の幅広さを活かしつつ、同時に事業会社でCIO等の役職を務めることで、IT体制に難を抱えるユーザ企業に対し、これまで以上に広範かつ質の高いコンサルティングの知見の提供が可能だと考えています。

高村:同時に、事業会社の内部で知見を発揮する経験は、事業会社の実体を知ることでITコンサルタントとしても得難い経験が得られるものと思います。具体的には、組織倫理や組織の動かし方を実地から学ぶことができ、知見はもちろん経験に即した形で視野を広く持てることから、ITコンサルタント職だけでは習得が難しい様々な能力向上が期待できます。

高村:実際、事業サイドや発注側に立つことによって、それまでに体験出来なかったことや見落としていた視点などの新たな学びや発見に気づかされることは多くあります。

高村:ユーザ企業への貢献度合いを高め業界変革を臨むためには、コンサルタントの本分とされているアドバイザーとしての立ち位置に加え、 実行責任、事業リーダー的な役割を果たすITコンサルタントを増やしていきたいと思います。

高村:とはいえ従来のITコンサルタントとしての職務領域に加え、事業会社のCIOを兼ねるだけの知見を持つことは相当に難易度が高いものです。現在、代表の坂本が事業会社のCIOに加え、政府CIO補佐官としても活躍していますが、まずはボードメンバー(取締役)を中心にCIOとして活躍できる人材を増やし、実現を図っていきたいと考えています。

CIO育成機関としてCIOを輩出

高村: 2つ目は、GPTechを“卒業した”社員が事業会社のCIOとして活躍することを目的に、GPTechが質の高いCIO育成機関として在ることです。

高村: コンサルタントを目指した就活生が新卒でコンサルティングファームに入社後、数年で事業会社に転職するという流れはコンサルティング業界では一般的なものです。しかし、事業会社に移るのであれば、「ITに詳しい一社員」としてではなく、ITコンサルタントの知見を活かして、つまりより高いパフォーマンスを発揮するCIOとしてその知見を発揮いただきたいと考えています。そのためには、前提としてCIOを務められる知識・実務能力を備える必要があることから、教育計画上、GPTechの新卒社員の方に対しては目安として約10年は在籍いただきたいと考えています。

高村:CIOとして活躍するために私が必要と考える資質は、具体的に以下の要素です。

  1. 知識 (IT関連の業界知識や業務知識、経営知識など)
  2. 経験(プロジェクトの進め方や現場担当者の自走を達成した支援経験など)
  3. 経営能力(人の巻き込み力や組織の動かし方など)

高村:CIOとして価値を発揮するためには、知識に裏付けられた提言に留まらず、CIO職務を全うするためのリーダーシップや決断力がとても重要です。そのためには、経営ビジョンを理解し、IT導入の背景や目的を自信の言葉で語り、必要に応じて交渉や他部門を動かすマネジメントスキルが必要となります。

高村:GPTechのITコンサルタントには、クライアントワークに留まらず、社内のITシステム導入や研修プログラムの執行責任者として、会社の向かうべき道を理解して現場に落とし、最後までやり切る経験を多く積んでいただきたいと考えています。その上で社内活動における執行責任者のポジションを掴み、充分な経験を積むためには、前述の通り、少なく見積もっても約10年の在籍が必要だと考えています。

リターン制度の検討

高村:近年、採用手法の一つとしてリターン制度(出戻り制度)による採用がトレンドになっていますが、当社でも「かつて“卒業”した社員が事業会社での経験を積んだ後にGPTechに戻り、柔軟な雇用形態でパフォーマンスを発揮いただく制度」の設置を今後検討したいと思っています。

高村:当社におけるメリットとしては、外部の知見の社内への還元です。退職した社員が事業会社のCIOとして活躍する一方で、GPTechのメンバーを兼任し、ITコンサルティングのトレンドをキャッチアップしつつ、外部で培ったCIOとしての知見を社内に還元いただく。それにより、社全体としての知見の底上げを図りたいと考えてます。

高村:とはいえ、退職した社員がGPTechに戻って一メンバーとして再合流する上では、GPTech側に相応のインセンティブ設計や仕組みづくりが必要だと考えています。そのためには、当社が「事業会社での蓄積が難しいITに関する知見や最新のナレッジ、高い志を持った優秀な人材がいる組織であること」が不可欠だと考えており、コンサルティングの質を磨きつつ、今後も無理のない組織拡大を進めていきたいと思います。

―― 本日はありがとうございました。

高村:ありがとうございました。

採用に関するご質問やご相談

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