「情シス部門に光を照らす」コーポレートITサポートユニットインタビュー記事

「情シス部門に光を照らす」コーポレートITサポートユニットインタビュー記事

はじめに

現在(2024年10月時点)、GPTechには5つのユニットが存在します。
以下の記事でGPTechのユニット制度を紹介しています。

ユニット紹介の第一弾として、GPTech代表の坂本とユニットリーダーの丁へ「コーポレートITサポートユニット」についてのインタビューを実施しました。

インタビューでは、主に以下の内容について語られています。

・情報システム部門(以下情シス部門)の現状に対する坂本の思い
・コーポレートITサポートユニットを創設した背景
・ユニットの業務内容とGPTechの情シス部門

このブログを通して「情シス部門の地位向上」という課題に対し、GPTechがどのような取り組みをしているかをお伝えできればと考えています。

現在情シス部門に所属している方で、「将来のキャリアイメージが持てない」「コンサルタントへの転職を考えているものの不安がある」という思いを持つ方の参考になれば幸いです。

※この記事は、主に中途採用希望者向けに書かれていますが、新卒の方も入社後の働き方をイメージするための参考にしていただければと思います。

情シス部門の現状と課題

― はじめに、現在の日本における情シス部門の現状と課題、その原因についてどのような考えをお持ちでしょうか?

(坂本)
現在、日本企業における情シス部門の地位は低いです。

企業活動において情報システムの重要性は高まる一方であるのに対して、情報システムを統括すべき組織自体の評価があまり高まっていません。ほぼ全ての企業が同様の傾向にあることを考慮すると、この現状は社会課題であるといっても過言ではありません。

では、なぜこのような状態になっているのかというと、経営陣の求める情シス部門の役割と、彼らが本来果たすべき役割にズレがあることが原因として考えられます。

このズレについて、以下の図を参考に説明していきましょう。

図1:業務システムとIT共通基盤

経営陣や事業部門、業務部門などから見た情報システムというと、多くの場合はいわゆるアプリケーションという、自分たちが導入して便利になる業務システム(人事給与システム、会計システム、営業システム、勤怠管理システム等)のことをイメージします。

情シス部門に対しては、これら業務システムを積極的に起案・導入し、業務の利便性向上や事業収益向上に貢献することを期待しています。

しかし、多くの業務システムがパッケージやクラウドサービスで提供されるような時代ですので、業務部門が一定の知識を身に付けて製品・サービスを調査すれば、ユーザー部門自身で業務システムを導入することはできます。

業務部門からしてみると「素人である自分たちでさえできてしまうことを情シス部門は提案もしてくれない、役に立たない」という発想に陥りがちです。

情シス部門において業務システム導入に関わることは重要な業務の1つではありますが、あくまで業務部門との共同業務あるいは支援業務です。

主従で言えば従の位置づけです。従の位置づけの業務が本来の役割であるはずがありません。

当社が考える情シス部門の本来の役割は、さまざまな業務システムを横断的にきちんと導入・運用管理するためのIT共通基盤や運用管理ルールを整備・運用することです。

しかし、この役割は経営陣や事業部門から直接見えやすいものではありません。

それゆえに、経営陣はアプリケーションの導入などの見えやすい成果を求め、情シス部門もその要求に応えざるを得ないため、本来の役割とのギャップが生まれていきます。

― 情シス部門の本来の役割に対して、「経営陣と情シス部門の間で認識のズレ」があるとのことでしたが、この「ズレ」の構図をより詳しく教えていただけますか。

(坂本)
こちらに関しては、情シス部門の主な業務内容を図式化した、以下の図を用いて説明をします。

図2:情シス部門の業務内容

情シス部門が本来果たすべき役割は、Step2の領域の業務であるにもかかわらず、経営陣が期待・評価をするのはStep3の領域の業務であることが多いです。その結果、情シス部門はStep3への対応を優先してしまいがちです。

Step2のIT共通基盤の整備・運用の統制が強化されていない状態でStep3へ進んでも、うまく運用できないシステムが増えてしまい、かえって問題を生むことになります。

このような期待値のズレがなかなか解消されないため、結果的に情シス部門が「役に立たない」と言われてしまうのです。

ただ、このような問題の原因は、経営陣や業務部門側だけにあるわけではありません。なぜなら、情シス部門が担うべきStep2の役割・価値について、情シス部門自身でさえも正しく認識できていないことが多いのが現状だからです。

このズレを解消するには、情シス部門が本来の役割を自己認識し、経営者に対して適切な説明、提言をしていくことが必要になります。

― ありがとうございます。では、世間一般では価値が低く「役に立たない」という印象を持たれやすい情シス部門ですが、GPTechにとっての情シス部門はどのような存在でしょうか?

(坂本)
大前提ではありますが、GPTech内において、情シス部門は非常に重要であると認識されています。

当社においては、社内業務システムの導入については社内のさまざまなメンバーが起案・導入推進を行い、情シス部門は、認証基盤等のIT共通基盤との連携の調整やセキュリティポリシーの適用管理といった役割で全システムの導入に関与します。

そして、運用段階になると管理主体が情シス部門に移管されます。企画立案は情シス部門の本来業務とは位置付けておらず、他に果たすべき役割があることがしっかりと明示されています。

限られた人員で多岐に渡るIT業務に対応して企業を支える情報システム人材は、企業にとって必要不可欠な存在です。このような情シス部門の存在を、当社のコンサルティングサービスに組み込んで他社の情シス部門の改善にも貢献していきたい、という考え方でコーポレートITサポートユニットを作りました。

現在はユニットの組成段階であるため、他ユニット所属のメンバー中心に情シス部門は構成されていますが、将来的にはコーポレートITサポートユニットが本務所属のメンバーのみでGPTech社内の情報システム部門を構成していく計画です。

(丁)
社内業務について補足すると、コーポレートITサポートユニットは、自社の情シス部門として、全システムの運用保守、ヘルプデスク等の業務並びにITガバナンスの整備・運用(例:情報セキュリティマネジメントシステムの運用等)を日々実施しています。

また、自社内の共通基盤(ID共通基盤及びデータ共通基盤)を構成するための提案も実施しています。

ユニットは、丁を筆頭にコンサルティング本部より兼任の3名併せて4名体制であり、ユニットのマネジメント・管理以外は、兼任の3名に等しい業務量を与えており経験として蓄積させています。

コーポレートITサポートユニットに対する想い

― 続いて、ユニットのミッションとビジョンについて伺いたいと思います。以下のミッション・ビジョンに込められた想いや背景について教えていただけますか。

ミッション:「この国の情報システム部門に光を照らす
ビジョン:「情シススペシャリスト集団」

(坂本)
まず、このミッションを掲げた背景は、先ほど日本企業における情シス部門の現状について述べた通りです。コーポレートITサポートユニットでは、正しく認識されていない情シス部門の本来の役割・価値を発信し、彼らの成長を助け、誇りを持って働ける部門への変革に貢献したいと考えています。

また、当社は「情報システム調達における常識の変革」を目指しており、この変革すべき常識の1つに、情報システム調達において情シス部門があまり役に立たないという社会認識があります。

情シス部門が担うべき役割を示し、その役割を果たせる組織に進化させるための支援を行うことで、そのような社会認識を是正していきたいという思いも、このミッションには込められています。

次に、ビジョンとして掲げた「情シススペシャリスト」は、情報システム人材が目指すべき姿であると考えています。

情シス部門に求められる役割は多岐にわたり、また限られた人数でこの様々な役割を果たすことが求められるため、個人が多岐に渡る業務を実施することが必要になります。

したがって、企業活動を支える情報システム人材は、究極のジェネラリストである必要があります。敢えて真逆の表現を使っているのですが、この究極のジェネラリストこそが、情シススペシャリストであると考えているのです。

我々コーポレートITサポートユニットは、クライアントの情シス部門をサポートするため、多岐にわたる知識(ネットワーク、セキュリティ、サーバ管理、アプリケーション管理、IT運用と管理、ユーザサポートなど)を理解し、実践的なスキルを身に着けた情シススペシャリストの集団を目指します。

一人でも一つの会社の情報システム組織を担える一騎当千の人材が結集することで、新たな価値を創造することができると考えています。

コーポレートITサポートユニットで得ることが出来る経験

― ここからは、コーポレートITサポートユニットの基本的な業務内容や強み、どのような人材を求めているのかについて伺っていきます。まず、業務内容についてです。現状、クライアントに対し、どのような支援を行なっていますか?

(坂本)
主に複数システム間を有機的に連携、または横断的に運用管理するためのIT共通基盤の企画・整備・運用を直接的に支援するとともに、IT共通基盤の企画・整備・運用を担える組織体制の整備・運営の支援も行っています。

現在担当している案件では、インフラ系システムの刷新支援、情シス業務全般のアドバイザリー、MS365の活用研修など、支援内容はさまざまです。

ただ、先ほども触れた通り現状ユニットは組成段階にあります。

よって、今後のフォーカス課題として挙げられるのは、案件運営ではなくユニットのビジネス設計です。このビジネス設計と並行して、ユニットの今後を担うメンバーの拡充を進める必要があると考えています。

― 支援内容についてさらに伺います。「組織体制の整備・運営の支援」とありましたが、具体的にはどのようなアプローチで支援しているのでしょうか?

(坂本)
支援をするためのアプローチの仕方は様々ですが、その一つに、情シス部門そのものを支援するのではなく、経営陣に対して情シス部門をより良い形にするための提案をする方法があります。

よくあるパターンの1つとして、経営陣や役員等の中で、自社の情シス部門がStep1の役割(図2参照)しかできていないという認識がすでに出来上がっている状態であることがあります。

このようなケースで我々が提言するのは、「技術力はなくてもよいので組織マネジメントができる良い人材を入れる」ことです。

「卵が先か、鶏が先か」という言葉があります。

現在「役に立たない」と思われている情シス部門に対しても同じことが言えると考えていて、「良い人材が配属されないから結果的に役に立たない部門になっている」のか、「役に立たない部門であるから、良い人材が配置されない」のか、今となってはわかりません。

ただ、こういった負のスパイラルが情シス部門にあることは事実です。

この負の連鎖を断ち切るためにも、まずは良い人材を情シス部門に入れることを提案します。

もちろん、単に良い人材を入れても知見がなければ組織運営はできませんので、そこは当社が伴走しながら組織が果たすべき役割の言語化などを進めてもらい、組織ビジョンを作った上で直接的な知識・スキルがある人材を採用する動きを進めていきます。

また、比率的には少ないですが、もう一つあるパターンとして、情シス部門は自らの役割(Step2)を認識しているにも関わらず、経営陣がその重要性を理解していない場合があります。

いわゆる「ひとり情シス」の状態でこのパターンに当てはまる場合、経営陣の理解のなさや負担に耐えられず、優秀な情報システム人材が離職するという例は少なからず存在します。結果的に、中心的な人材が抜けた企業の情シス部門は一気に崩壊してしまうのです。

このような状況を防ぐためにも、GPTechとしては経営陣に情シス部門の重要性を伝え、「ひとり情シス」の人材が少しでも働きやすい環境を作っていきたいと考えています。

しかし、情シス部門に対する経営陣の理解があっても、何らかの事情で離職する人材はいるでしょう。このような場合の対応策として、総合的ではないにせよパーツごとであれば手順通りにできる人材を育成したり、伴走型の情報システムアウトソーサーを補助として提供したりすることが挙げられます。

こういった体制を整えておくことで、優秀な人材が抜けることにより情シス部門全体としてのレベルが下がることは避けられないものの、企業全体が崩壊するようなことは防ぐことができると考えています。

ただ、繰り返しにはなりますが、このような体制を整えるためには、経営陣の情シス部門への理解があることが必要不可欠です。

社会全体の認識を変えていくための働きかけが必要であり、当社のクライアントに対して直接的に提言・助言をしていくことだけでなく、IT調達ナビやセミナー等でメッセージを発信していく予定です。

― コーポレートITサポートユニットは、他社と比較した際どのような強みを持っていますか。

(坂本)
世の中の情シス部門を支援するコンサルタントの大半は、システム運用経験を有していません。当社のコンサルタントもまた然りです。

コーポレートITサポートユニットは、社内的には情シス部門であり当社内のシステム運用を日常的に実施しています。運用知見・経験がある人間だからこそできる情シス部門支援のコンサルサービスというものを追求していきたいと考えています。

(丁)
坂本が言及したように、GPTech社内の情シス部門で実際経験した業務内容は、すべてコンサルティング本部のコンサル業務に活かすことができるのが、他社と比較した際の強みです。

また、経営層含め、情シス部門自体も自身の役割が会社にとって非常に重要であることを理解しており、前述のような共通基盤構築の遂行や新たな提案等が他社よりも主体性を持って実施しやすい環境であることも強みの一つとして挙げられます。

― 「運用知見・経験がある人間だからこそできる情シス部門支援のコンサルサービス」とありますが、実際にシステムの運用経験をどのようにコンサル業務に活かすことができるのでしょうか?

(坂本)
基本的な企画・運用の流れとして、企画→整備→運用のように上流から下流で語られることが多いです。しかし、本来は運用が企画の先にあり、運用→企画→整備→運用です。今現在動いている、運用しているものに課題があるから企画が生まれてくるのです。ですので、運用実態を知らない人には的確な企画をすることが難しいのです。

しかし、コーポレートITサポートユニットでは自らの豊富な運用経験をベースに、GPTechとしてのIT調達フレームワークの知見を取り入れながらコンサルティングを行うことができますので、一般的な企画人材に比べ、運用段階まで見据えた提案を行うことが可能になると考えています。

― ここまでユニット全体の強みを伺ってきましたが、続いて個人として、ユニットに入ることで具体的にどのような力が身につくと考えていますか?

(坂本)
自社業務において地に足の付いたシステム運用保守経験を積みながら、一方で多様なクライアントに対する情シス業務支援を行うことで、様々な業種・規模・メンバー構成・IT環境における情報システム業務のあり方を検討・経験することができます。

その結果、再現性の高い情シス業務のあり方というものを実践・提言できる人材になることができると考えています。

加えて、他ユニットとの連携または異動を行うことで、情シス部門の支援だけではなく、IT戦略立案や大手企業のグループ会社のITガバナンス強化支援など、より経営に近いレイヤの仕事に従事する機会を持つことも可能です。

その際にも、情報システム業務に対する確かな知見を有していることが武器になるはずだと考えています。

―それでは最後に、情シス部門からコンサルタントへの転職を検討している求職者へ向けて、メッセージをいただけますか?

(坂本)
まず、本記事をご覧になって現在の会社でもっと自身や自部門の役割を見つめ直そう、経営陣に対してもっと発信・提言をしていこう、ということを少しでもお考えになったのであれば、現職で引き続き頑張っていただきたいと思っています。

転職を考えていらっしゃる場合、今までの経験を直接活かせる情シス業務を他社で実施するか、あるいはコンサルタントという新しい職種にチャレンジするか、ということで迷われる方は多いと思います。

一般的にはこれを二者択一で選択しなければならないところ、当社のコーポレートITサポートユニットは両方を選択できるというのが最大の特徴です。

今までの経験を直接活かせる情シス業務に従事して一定の成果を出せる安心感を持ちながらも、コンサルタントという新しい働き方にチャレンジできる、そんな環境をご用意しています。ご興味をお持ちになったら、是非弊社のドアをノックしていただければと思います。

― インタビューは以上です。お二人ともありがとうございました。

まとめ

繰り返しにはなりますが、GPTechは情シス部門の価値を理解しており、新たな挑戦をする情報システム経験者が活躍する環境があります。

本記事で、GPTechの情シス部門に対する想いや、課題解決のための取り組みに対し、納得・共感いただければ嬉しいです。

また、実際に情シス経験者としてGPTechに入社した方の体験談は、以下のリンクからお読みいただけます。

我々は今後も情シス部門の価値を世の中に訴求・拡大し、システム調達における常識を変革することを目指していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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