新卒から自治体職員だった私が、”安定”と言われる公務員を辞めた理由

はじめに
はじめまして。2024年2月に、地方自治体からGPTechへ中途入社した銭場です。
この記事では、新卒から地方自治体に13年近く勤め、民間企業での勤務経験やコンサルタントとしての経験を持たない私が、”安定”と言われる公務員を辞めてITコンサルの世界へ挑戦をするに至った経緯を紹介します。
「今後のキャリアに悩みながら働いている自治体職員の方」「公務員からの転職に不安を感じている方」の参考になれば幸いです。
これまでの経験
大学卒業後、私は特別区の職員として入区しました。
入区後、生活保護のケースワーカーを3年、次の課では徴税吏員を3年間担当するなど、最初の6年間は情報システムとあまり関係のない業務に従事していました。
そんな私がITと関わりを持つようになったのは、7年目の課内異動のタイミングです。
統計用データの抽出や運用保守業者とのコミュニケーションが担当業務ではあったものの、これが初めての情報システムと関わる経験でした。
さらに、次の異動では派遣先の一部事務組合で情報システム部門の配属となり、グループウェア刷新プロジェクトや情報システムの運用を経験しました。
情報システム部門で経験を踏み、元の自治体に戻った後はDX推進部署に配属され、自治体システム標準化やガバメントクラウド移行を担当するようになりました。
DX推進部署に配属をされてからは、これまで以上に庁内関係者を巻き込んだり、全国の同じ志をもつ自治体職員と協力する機会が増えたりと、日々の仕事に非常にやりがいを感じていました。
しかし同時に「今の活動が落ち着いた後のキャリアはどのようになるのだろう?」と自問する自分もいました。

転職を考えるキッカケ
最初は、自身のキャリアに対して漠然と不安感を抱いていた程度ですが、徐々に転職に気持ちが傾いていきました。いくつものキッカケはありましたが、主に下記2つの経験が大きかったです。
1. 「行政デジタル改革共創会議」への出席
今後のキャリアを決定するうえで、「行政デジタル改革共創会議(通称:デッカイギ)」への参加は大きな転機となりました。
私はこの会議に第一回から参加しており、全国の自治体職員と対話をする中で、地域や組織が違ったとしても、自治体が抱える共通の課題や構造的な問題が多くあることに気づきました。
そして同時に、私自身、自治体の仕事に関わることが好きなのだと改めて実感する機会でもありました。
上記より「自治体が好きであるからこそ、外からの支援を通じてより多くの自治体に貢献できる道を選びたい」と考えるようになりました。
特に、自治体職員の場合は異動がつきもので、やりたいことを突き詰めることが難しい環境であったことも影響しています。
2. 子供が産まれたことによる変化
子供が産まれたことにより、“何をやりたいか”と同じくらい“どのように生きたいか”を見つめ直す機会が増えました。
「将来、子どもが進路や働き方で悩んだときに、力になってあげることができるか?」と不安を感じるようになり、今後のキャリアについて真剣に考えるようになりました。また、2人目の子供が産まれてライフスタイルが変化したことにより、育児と仕事のバランスも考えるようになりました。
上記2つのキッカケを経て、地方自治体から“より多くの自治体を支援できる”民間企業への転職を決意しました。
GPTechを志望した理由
民間企業への転職を決意して転職活動を始めた私は、「GPTechが掲げる理念」「多様な経験を積むことができる環境」の2つに惹かれてGPTechを志望しました。
①GPTechが掲げる理念
私自身、自治体のシステム発注には課題があると考えていました。
具体的には、人事異動で担当者が急に変わることによって方向性や体制が不十分なままプロジェクトが進む、発注側のスキル不足によってベンダーへの丸投げや本質的な課題解決が後回しになるという課題です。
そのため、GPTechが掲げる「発注体制の強化を実現させる」という理念は、私自身が感じていた課題に真正面から向き合うものであり、強く惹かれる要素でした。
そして、それを実現するために、現場および組織視点で方針を策定できるCIO人材の輩出を目指す企業スタンスに共感し、CIO人材を目指すことができるキャリアパスも魅力的に映りました。
②多様な経験を積むことができる環境
面接の場で「GPTechは、公共出身だから公共案件のみにアサインすることはなく、民間案件にも関わることができる」とお話いただきました。自治体職員の経験しかなかった私にとって、それは、新たな知識や価値観に触れ、自身の経験をアップデートできる環境だと感じました。
また、現時点でのGPTechが支援している公共領域の多くは独立行政法人で、自治体の案件は多くないことも聞きました。
これは、入社後すぐに自治体支援に携わる機会は少ない一方、自治体案件の拡大に伴う開拓活動に挑戦できる機会とも取れました。自治体職員の経験を活かしながら、組織として自治体支援の可能性を拡げていく過程に関われることは、非常に挑戦的でやりがいがあると感じています。
「将来、子どもが進路や働き方で悩んだときに、少しでも力になれるのか?」という問いを持っていた私にとって、継続的に自己変革できる環境は魅力的でした。
自分自身が変化を恐れずに挑戦する姿勢を持ち続けること。それが、将来子どもが立ち止まったときに、相談相手として寄り添える“経験”になるのではないかと考えました。
以上の理由から、私は数ある候補の中でGPTechを志望するに至りました。
ただし、私自身、転職を決意したものの、家族からの理解を得るまでには時間が掛かりました。
自治体職員として順調に昇任していたこともあり、公務員という安定した立場や今ある役職を手放すことに対して、家族からも「本当にそこまでする意味があるの?」という問いはありました。
特に、子育て中であることもあって「あえて厳しい環境を選択する必要があるのか?」という懸念も当然のことだったと思います。
そこで私は、自分がなぜ転職したいのか――どのような姿を目指したいか、子どもに対してどのような価値観を伝えたいか、そして転職先での働き方の柔軟さについても丁寧に話しました。
会社の理念やリモート・フレックス制度といった働き方、面接を通じて得た具体的な情報も共有し、「むしろ今より家庭との両立がしやすくなる可能性もある」と伝えました。
最初はすぐに理解を得られたわけではありませんが、何度も対話を重ねたことで最終的には「あなたが本気なら応援する」と背中を押してもらえるようになりました。

入社から1年経って感じること
家族からも背中を押してもらえ、晴れてGPTechに入社することが決まりました。現時点(2025年4月時点)で入社から1年経ちましたが、GPTechで働いてみて感じることは以下の4つです。
1. 業務スタンスの違い
自治体職員時代は制度や法令に基づいた定型業務を丁寧にこなすことが基本でした。
一方で、コンサル業務では、クライアントごとに異なる業務内容や組織の特性を深く理解したうえで課題の本質を見極め、最適な打ち手を検討することが求められます。
こうしたスタイルに少しずつ慣れながら、本質的な支援を目指して日々試行錯誤を重ねているところです。まだまだ挑戦の途中ですが、そこに大きな学びと面白さを感じています。
2. 成果主義やスピード感への不安と、実感した安心感
入社前は、「成果主義の世界についていけるのか」「厳しい評価にさらされるのでは」といった不安がありました。
しかし、実際にいざ入社してみると、想像より“競争”や“プレッシャー”といったものではなく、「成果を出すために、どのようにチームで支え合うか」という文化が根付いていることに安心しました。
上長との定期的な1on1やユニットミーティング、プロジェクトメンバーとの定期的な情報共有といったコミュニケーションを通じ、自分の立ち位置や次に取り組むべきことがクリアになり、方向性を見失わずに済んでいます。
求められるレベルは決して低くありませんが、それを一人で抱え込むのではなく、チームで支えあって達成していく文化があることは、想像以上に心強いものでした。
3. 業務のスタイルと働き方の変化
自治体職員時代でもスケジュール管理は行っていましたが、今の仕事では、同時に複数のプロジェクトやTF活動をこなす必要があるため、よりきめ細かな時間のコントロールが求められています。
また、ドキュメントの作り方にも違いがあります。自治体職員時代は丁寧に制度を整理して伝えることが求められましたが、現在は「読み手にどう伝わるか」「どう見せるか」を意識したアウトプットが必要で、毎回のレビューで新しい気づきがあります。
加えて、会議もオンラインが基本となり、アジェンダや結論を前提に進行するため、時間が効率的に使われていると感じます。こうした働き方の変化は、最初は戸惑いがあったものの、今では「自分で時間を設計し、成果を組み立てていく」ことができる点に、やりがいを感じています。
4. 働き方の柔軟性と家庭との両立
フレックス制度やリモートワークにより、子育てとの両立がしやすくなったと実感しています。
具体的には、フレックス制度を活用することで送り迎えにも対応しやすくなったことや、リモートワークによる移動時間の削減により、時間を有効活用できていると感じています。
また、新たな子育て支援制度の創設や対象者の拡充など、子育てをしている社員にとって働きやすい環境が継続的に整備されていることは非常にありがたいです。
仕事と家庭のバランスをとりながら、責任ある仕事に挑戦できている今の環境は、自分にとってとてもやりがいを感じています。

さいごに
「このままでよいのか?」 そんな問いを心の中で抱えながら、日々の業務に向き合っている方も多いのではないでしょうか。
私も、家族や職場環境、そして社会における自分の役割について考えた結果、転職という選択をしました。 もちろん、転職がすべての人にとっての“正解”とは限りません。
ただし、もし今の働き方や環境に釈然としない思いを感じているのであれば、まずは小さな行動から始めてみてください。
そうした一歩が、未来の選択肢を広げるキッカケになると私は思います。
私の経験が、少しでも誰かの背中を押せたなら嬉しいです。
その他、私と同じく自治体職員からGPTechに転職を決めた社員の記事を紹介いたします。興味がある方はぜひご覧ください。
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