社内プロジェクトー販売管理システムの導入と失敗(前半)

社内プロジェクトー販売管理システムの導入と失敗(前半)

ご覧いただきありがとうございます。

ITコンサルティング事業を展開する弊社では、中核事業(CIOアウトソーシング事業)の一つとして「IT調達支援サービス」を提供しています。サービスの提供にあたり、普段私たちがどのように業務を進めているか、今回は社内プロジェクトとして実施した販売管理システム導入プロジェクトのご紹介を通して説明したいと思います。

記事作成は坪井(19卒/新卒1期生)が担当しました。

本記事では、プロジェクト(システム導入)の経緯や実際の失敗談についても触れています。
特にITコンサルティングやシステム発注への興味関心がある方にとって、当実施レポートは参考になると思います。

プロジェクトの発足経緯

GPTechでは現在、クライアントからの多くの引き合いに対応すべく、採用や社内体制の強化を進めています。売上計画や進行中の案件の管理においても、以前はExcel中心の管理を行っていましたが、案件数の増に伴い、見積もりから売上、請求データの扱いをより効率的にシステム間連携、管理を行うため、今回、新たに販売管理システムを導入することになりました。

今回は社内導入ということで、入社して2年目(アソシエイト職)の私(坪井)がプロジェクトメンバーとして、プロジェクトの途中からマネージャー職のコンサルタント1名がプロジェクトリーダーとして参画する形で、2人体制でGPTechのコンサルプロセスに沿って導入プロジェクトを進めることとなりました。

※今回入れるシステムは社内導入のため、私が①コンサルタント(プロジェクトメンバー)と、②社内担当者(ユーザ側担当者)を兼務していることから、一部、業務を兼務している部分がありますが、大まかな全体の流れは通常のシステム導入プロジェクトと同じです。

プロジェクトの開始

まず、プロジェクト開始時点でのプロジェクトリーダーである私自身の経験値をご紹介すると、コンサルタントとしての歴は浅く、過去の類似案件では、基幹システム導入の業者選定(下図でいう一番右側のフェーズ)のタイミングでプロジェクトに入り、会議に出席し議事録を作成するといった業務の経験しかありませんでした。そのため、プロジェクトの開始から終わりまでを通してプロジェクトに従事した経験はなく、当然プロジェクトリーダーとしての経験値もほぼゼロに近い状態でした。

そのことから、作業イメージがあまり具体的に持てず不安ではありましたが、それだけに本プロジェクトで知見を獲得できれば、自身のスキル向上の面でも大きなステップアップになると意気込んでいました。

現状調査・分析

まず行ったのは、プロセスの1つ目である「現状調査・分析」です。

これまで弊社ではExcelを利用して、見積から請求書発行までの管理を行っていました。そのため、手作業での転記によるミスの発生や売上計画の把握に時間がかかるといった課題がありました。
この課題をより詳細に把握するため、現場担当者(管理本部社員)と代表の坂本に対し、1対1のインタビュー形式のヒアリングを行いました。

ヒアリングで特に意識した点は、現在ある課題の抽出だけではなく、Tobe業務イメージを聞き出すことです。

目の前の課題を解決するという観点のみでは、システムを入れても業務効率を最大化することはできません。業務自体の改善を図った上でシステムを選定、導入することにより、業務効率の最大化が実現できます
また、Tobe業務の検討にあたりベースとなるユーザ側の「こうなりたい」像を聞くことで、Tobe業務のイメージの掛け違えを減らすことができます。

今回実施したヒアリングでは、プロジェクトの発足のきっかけとなった「Excel管理を廃止し、シームレス連携にしたい」という課題以外に、「業務の属人化の低減」や「作業者のID管理の実現」といった要望が明らかになりました。

そして、抽出した課題や要望を基に問題の対応優先度を、以下の図の通り整理しました。

あるべき姿の設定の先送りと製品調査の着手

次に着手したのは、コンサルプロセスの2番目である「あるべき姿(課題を解決した後の業務)の策定」です。

あるべき姿については、当初ヒアリング内容を基に作成した業務フロー(業務工程の順序と担当者を明確にしたもの)をベースに、作業内容の見直しを進めようと考えていました。

しかし、私自身に販売管理業務についての知見が少なく、Tobe業務を描く上で、課題が発生している業務をどのよう見直せば良いかのイメージが持てず、作業は難航しました。

そこで、まずは販売管理システムの製品調査を行い、製品の利用方法に沿ってTobe業務を策定することで、一般的かつ効率的な販売管理業務が描けるのではと考え着手しました。

ToBe策定の先送りによる手戻り

今回は代表の坂本の意向によりクラウドのパッケージの採用が前提となっていたため、まずは製品調査を行いパッケージの検討をつけようと思いました。

調べ方としては、各製品のWebサイトを1件ずつ調査することは負荷が高いため、「販売管理システム クラウド 中小企業」と検索して出てきたパッケージ製品の比較サイトを確認しました。

次に比較サイト上に掲載されている販売管理システムの中から絞り込むにあたり、弊社の「社員規模」および「業種(建設業向けは除く等)」、「価格帯」をクリアする製品を候補として選定しました。
この時点で44製品中5製品に絞られたことため、次に詳細比較を行おうとしました。

しかし、前段で業務のあるべき姿(ToBe)を描いていなかったため、システムの利用者を、①現状通り管理本部社員1名と想定するのか、②クライアントと実際に交渉を行う営業担当者(コンサルタント)と想定するのかが検討できておらず、さらに絞り込みを進めたとしてもAsIs業務のまま使用ツールをExcelからシステムに置き換えるだけになってしまうことに気が付きました。

また、調査対象とするシステムの目星を付けるにも、システムで何を実現したいのかが決まっていなかったため作業はほとんど進みませんでした。そこで、マネージャー職のコンサルタントに参画してもらい、プロジェクトを立て直すことにしました。

後半に続きます。(12月上旬公開予定)

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