組織文化を形成するGPTechの”中堅研修”

組織文化を形成するGPTechの”中堅研修”

はじめに

こんにちは、古舘です。私はコンサルタントとして活動しつつ、GPTechの中堅研修を運営する「中堅研修タスクフォース」メンバーを兼任しています。

※タスクフォースについては、以下の記事をご覧ください。

中堅研修とは、若手~中堅層の社員のスキルアップを継続的にサポートする研修です。 今回は、この中堅研修という制度を通して、GPTechが人材育成において重視していることを知っていただければと思います。

中堅研修とはどんな制度?

中堅研修の役割

皆さんは「7・2・1」の法則をご存じでしょうか? アメリカのコンサルタントであるマイケル・M・ロンバルドとロバート・W・アイチンガーの研究によると、ビジネスにおいて
「人は7割を”直接経験”から、2割を”他者の観察・アドバイス”から、1割を”トレーニング(読書・研修等)”から学ぶ」(Lombardo&Eichinger 2010)
と言われています。

ただ、最も割合を占める「直接経験」だけで十分かというと偏りが生じるため、その他の要素からもバランス良く学習を進めることで、効果的、効率的な成長が促されるといえます。

そのためGPTechでは、1割にあたる「トレーニング(読書・研修等)」から得られる学びも重視しており、その補足を目的に中堅研修を実施。新卒研修や中途研修といった入社時に行う研修も別にありますが、中堅研修は社員が“継続的に学べる場”として、月2回程度のペースで開催しています。

中堅研修の特徴

次に、GPTechの中堅研修の特徴をご紹介します。

中堅研修は各テーマごとに対象となる職位は定めていますが、参加は任意です。研修の内容は資料や録画で残しているため、当日都合がつかなかった社員や新たに入社した社員には、研修中のディスカッションの様子や、演習のアウトプット・フィードバックを見て学んでもらっています。

基本的に研修は内製で実施しており、講師は「中堅研修タスクフォース」のメンバーが担当することはもちろん、タスクフォース外の社員がなることもあります(その場合は、当人の得意分野や経験を活かした内容がテーマになります)。

研修を内製化することで、よりITコンサルティングの現場に即した内容の研修を受けられるという利点があります。 また、「教える側は教わる側の数倍の物事の理解が必要」と言われるように、講師自身も知識の整理や経験の棚卸しを通してスキルアップすることができます。

中堅研修の活動方針

GPTechでは、社員の成長をより効果的に促すために、以下の3つを中堅研修の活動方針として掲げています。

①必要なテーマを網羅的・体系的にカバーする
②とにかくアウトプットする
③“相互学習・相互理解の場”とする

個々の活動方針について、次節で詳しく紹介します。

①必要なテーマを網羅的・体系的にカバーする

ITコンサルタントとして成果を上げるうえで重要となるスキルは多岐に渡りますが、実務経験のみでそれらを網羅的に得ることは難しいものです。

例えば、”プロジェクトマネジメント”の場合、ITプロジェクトの各工程の適切な進め方やアウトプットの作成方法を深く理解するのに、相応の経験・年数が必要となります。

そこで、GPTechではITコンサルタントに求められるスキルセットを整理し、「スキルマップ」として体系化しました。
スキルマップを網羅する形で研修計画を立て実施することで、社員各々が課題に感じているテーマや、不足している知識・経験を埋めるための一助になると考えています。

過去に実施した「データモデリング研修」では、架空のクライアントを想定し、業務部門の担当者(GPTech社員)への業務ヒアリング、データモデル作成を体験する演習を実施しました。データモデル作成が未経験であった社員からも、「研修で業務を疑似体験してみることで、勘所を素早く把握することできた」という感想をもらいました。

「データモデリング研修」資料の抜粋

また、2020年に中途入社した寺門(マネージャー)に、中堅研修を受講した感想を聞いたところ、「長年小規模な会社でエンジニアを経験してきたが、プロジェクト管理のルールがなく、体系立った方法論を知らずに試行錯誤していた。研修を通してそのような方法論をインプットすることで、自分が今までに実践してきたことについて軌道修正を図りつつ、裏付けをとることができた。」とのことでした。

このように、中堅研修は”実践”と体系立てられた”理論”を結びつけるような役割も果たしています。

②とにかくアウトプットする

中堅研修では、当事者意識や研修の学習効果を高めるために、特にアウトプットを重視しています。具体的には、講師から参加者へ一方向に情報伝達をするような「講義形式」の研修だけではなく、参加者同士のディスカッションや成果物を作成する「演習形式」の研修も織り交ぜて実施しており、徐々にその割合を増やしています。

演習形式の研修の例としては、「インシデントプロセス研修」があります。インシデントプロセス法とは、参加者がある出来事(インシデント)の関係者に、その出来事の背景・原因となる情報をヒアリングし、問題解決の方法を考えるというものです。私も演習準備を通して、ヒアリングの段取りや仮説立ての重要性を改めて学ぶことができました。

「インシデントプロセス研修」資料の抜粋

③”相互学習・相互理解”の場とする

GPTechが提供しているようなコンサルティングサービスにおいて、定型化できない業務が多いため、暗黙知となっているノウハウが数多く存在しています。今後、組織としてより高い価値を発揮するには、それらの暗黙知を形式知として顕在化させ、最終的に集合知として高めていくことが大切だと考えます。
そこで、中堅研修には、社員が持つ知見を共有しあう「相互学習の場」としての役割が重要になってきます。

講義型の研修でも、参加者同士の経験談やプロジェクトで得たノウハウを共有する時間を研修の最後に設けています。
例えば「会議のファシリテーション」がテーマの講義では、各社員のファシリテーションスタイルや事前準備の方法等について、積極的な情報交換が行われました。参加者からは「他の社員のコメントが非常に参考になった」という声を多くもらっています。

また、知識やスキルの獲得に貪欲な社員が多いため、プロジェクトの垣根を越えて社員が集まり、スキルアップを目指す環境という点では、実務とは違った刺激を受けられるというのもこの研修の特徴だと考えます。

加えて、中堅研修は「相互理解の場」でもあります。
研修を通して、「誰がどんな経験をしているか」、「どんな価値観を持っているか」などを共有しあうことで、プロジェクトの垣根を超えたコミュニケーション(相談や質問等)の活性化につながっています。

さいごに

中堅研修は、開始が2019年と当社の中ではまだまだ歴史が浅い取り組みですが、前述した活動方針を踏まえて取り組みを継続していくうちに、中堅研修は単なる教育制度という枠組みを超え、「社員同士が向上心を持って切磋琢磨する」ある種の組織文化として徐々に根付きつつあります。

今後も、研修の質を高めていくことで社員の成長をサポートし、今後入社する新メンバーにとっても、より魅力的に感じられるような組織文化を醸成していきます。

採用に関するご質問やご相談

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