CIOという職種をリブランディングするミッション―CIOシェアリング協議会TFの活動―

CIOという職種をリブランディングするミッション―CIOシェアリング協議会TFの活動―

こんにちは、GPTechの田中です。

今回は、CIOシェアリング協議会の紹介と、協議会タスクフォースの一員としての活動について紹介します。

CIOシェアリング協議会とは、GPTechが発起人として2019年に設立した団体です。昨年登記し、2021年より一般社団法人として運営しています。

※GPTechでは、社内の課題解決に向けて活動を行うチームのことをタスクフォース(以下、TF)と呼んでいます。TFについては、こちらの記事をご覧ください。

将来CIOを目指す方やCIOの仕事に興味、関心がある方向けに、CIO協議会TFに関わるメリットや得られる体験、キャリアパスについて解説した記事になります。

また、この記事を通して、他のTFでは体験できない協議会TFならではの取り組みや求められるスキル、やりがいについてもお伝えできればと思っています。


CIOシェアリング協議会の目的・ミッション

CIOシェアリング協議会は、ITの利活用を通じて大きく発展できる可能性のある企業にCIOというリソースを提供し、日本社会のIT投資の成功、日本企業の成長に寄与していく活動を目的としています。

より多くの企業でCIOが活躍する社会の実現を目指してCIOという職種のリブランディング、及びCIOのシェアリングを推進することをミッションとしています。

CIOシェアリングとは、「CIOが企業に必ずしも専属で雇用されるのではなく、非常勤で適切なタイミングでCIOとしての知見を各企業に提供する」というCIOの働き方のコンセプトです。

CIOシェアリング協議会には、現在もCIOとして複数の企業で活躍されている元メルカリCIO長谷川秀樹氏を代表理事に迎え、GPTechの代表である坂本氏、楽天グループCIO&CISO平井氏、チューリッヒ保険CIO木場氏、阪急阪神百貨店執行役員小山氏を理事に経験や実績共に豊富な方々が活動されております。

関連ページ:理事・アドバイザリーメンバー紹介

また、協議会では会員制度をとっており、 個人会員として参画してくださっている方の中には現役でCIOをされている方も複数いらっしゃいます。

上記の目的・ミッションを掲げて、理事メンバーのもとで、大きく以下4点を主軸として活動を行っています。

CIOシェアリング協議会の活動概要4点に関する説明

CIOシェアリングという考え方そのものや協議会の発足経緯が気になる方、なぜCIOシェアリング?と疑問をお持ちの方は、ぜひ以下の記事もご参照ください。

関連記事:中堅企業におけるCIO設置の課題とは?~CIOシェアリングの必要性~

CIOシェアリング協議会事務局の業務内容

CIOシェアリング協議会事務局として活動している協議会TFは、協議会副代表理事を務め、GPTech代表取締役社長でもある坂本、アドバイザーとしてGPTech取締役の高村のほか4名、計6名で活動を行っています。

<主な業務内容>

  1. 記事作成を含めたWebサイト、SNSの運営
  2. 理事会の運営
  3. コミュニティ運営を含めた会員様対応
  4. アドバイザリー業務の事務局

業務内容①:記事作成を含めたWebサイト、SNSの運営

協議会としての発信力を高めるために、WebサイトとTwitterの運営と発信するコンテンツ作成に力を入れています。

特に、オリジナルコンテンツである「CIOの履歴書(※)」や「CIOシェアコラム」は、協議会の運営メンバーの中でも実働部隊に位置する若手~中堅メンバーが一から執筆しています。

※「CIOの履歴書」とは、個人情報や職歴を記載した一般的な履歴書のことではなく、現在CIOとして活躍されている方々の「CIOに至るまでのキャリア」「CIOの後のキャリア」について迫り、CIOのキャリアを考察する、協議会のオリジナルコンテンツです。

Webサイト

Twitterアカウント

業務内容②:理事会の運営

協議会理事、設立時社員の皆様と隔月~四半期に一度のペースで理事会を開催しています。

理事会で議論するためのディスカッションペーパーや報告資料等は、実働部隊がメインとなり作成しています。また、理事会で出たアイディアの実現に向けた検討や準備も業務として行っています。

業務内容③:コミュニティ運営を含めた会員様対応

会員様同士の情報交換を行うプラットフォームである会員様限定Slackコミュニティの運営や、入会時簡易面談を行っています。

Slackでは、CIOに関連するニュースや理事の皆様の活動が紹介された記事の共有、ワーキンググループ等の活動への参画募集等を行っています。

また、個人会員への入会申し込みを頂いた方の簡易面談も実施しています。ワーキンググループ等の活動に備えて、個人会員様のご経歴や得意分野、協議会に期待していること等をお伺いしています。

業務内容④:アドバイザリー業務の事務局

協議会が委託されたアドバイザリー業務にメンバーの1人として参画し、打合せ資料や議事録の作成、検討した内容の資料化等を事務局として行っています。

その他にも、メディアから理事の方への講演依頼や取材依頼等についても必要に応じて事務局にて調整を行っています。

業務のイメージ画像

体験できること

体験できることとして特にご紹介したいポイントは、「CIOの履歴書」の記事作成を通して各企業で活躍中のCIOのお話を直接聞けることです。

通常の業務では関わることのできない著名なCIOの方や、各業界で活躍されているCIOの方が仕事をする中で大事にされていることやどういう思いでCIOに至ったか等を間近で聞くことができることは、他では滅多にできない体験だと思います。

特に、インタビュイーの方がCIOになるために努力されたことや、CIOになるために必要だと思われる知識、経験については、自分自身が目指している姿と自分の現在地のギャップを把握する、埋めるための行動に移す大きなヒントとなります。

加えて、インタビュイーをお願いする方は、作成したCIOリストの中から実働部隊が候補となり得る方をピックアップし、インタビューのお願いが現実的に可能かどうか、また、お話をお伺いするのに適切なタイミングかどうかを検討した上で最終的に決定しています。

お話を伺いたい方をインタビュイー候補として提案し、実際にお会いできることも魅力だと思います。

得られるスキル

「CIOの履歴書」の記事を作成する中で得られる主要なスキルとして、以下の3点が挙げられます。

1. 体験を引き出すチカラ

CIOの履歴書作成時には、インタビュイーの方にお伺いしたいことをまとめたインタビューシートを作成します。

記事にしたい内容について、まずはWebベースで情報収集を行い、インタビュイーの方がまだ発信されていない情報は何か、どういうお話を聞くことが読者の皆様にとって価値となるかを考え、質問内容を検討しています。

インタビュー実施時には、インタビュイーの方のお話を受け取り、聞くだけではなく対話するように進めることで、より深いインタビュイーの思いや具体的な体験談を聞くことができます。

そのためにも、知識習得や実業務を通じて常にレベルアップしていくことが必要だと感じています。

2. 魅力的なコンテンツを作成するチカラ

CIOの履歴書では、インタビューに同席し、録音したデータとメモを基に記事を作成します。お伺いした内容をどのような構成にすると読者の方により興味を持ってもらえそうか、また、どのような図や画像を挿入することで読者の方に最後まで読んでもらうか等、様々な工夫をしながら記事を作成しています。

CIOの履歴書ではインタビュイーの方がお話しされている雰囲気をそのまま伝えるために、なるべくインタビュイーの方の言葉を使って作成しています。そうすることで、インタビュイーの方の人柄も感じることができ、ありのままの魅力を感じてもらえるのではないかと考えています。

CIOシェアコラムの作成では特に論理的思考力 が求められます。記事の途中で繋がりに違和感を覚えたり、論理の飛躍を感じたりしてしまうと、記事の途中でページから離脱してしまわれる可能性が高いためです。

途中で離脱せずに最後まで記事を読んでもらうことができ、記事の内容を読んで協議会に魅力を感じてもらえる記事を作成するために、情報の質が高く論理的な記事を作成できるよう努めています。

3. コンテンツを届けるチカラ

作成したコンテンツをどう展開すれば多くの人に届けることができるか、ページが最後の方まで読まれているかどうか、PV数の多い記事はなぜ多く読んでもらえているのか等、定期的に各記事の読了率やPV数等の情報を観測しています。

実働部隊で議論しながら、作成するコンテンツの検討や公開済みコンテンツのアップデートを行っています。

良質なコンテンツを作って、公開して終わりではなく、いかにターゲットユーザーの目に触れてもらえるか、届けるか、までをゴールと設定しているために、戦略的に考えて達成することが求められます。

具体的な施策として

・SEO対策
・Twitter、Facebookの運用
・メールマガジンの活用
・プレスリリースの投稿

を実施して、コンテンツをより多くのユーザーに届けるかを念頭に置いて活動しています。

業務の実施イメージ画像

やりがい

協議会の理事会や「CIOの履歴書」のインタビューでCIOの皆様と関わることで、CIOのように経営層の1人であり、高い視座を持っている方々が現在関心を持っている技術、取り組みや問題意識を持っていること等を知ることができます。

自分が描くなりたい姿に近づくには、既に実現している人の真似をすることが重要と言われていますが、CIOシェアリング協議会の理事、アドバイザリーメンバーの皆様はお手本となる方ばかりです。その皆様が今考えられていること、気になっていることを知ることができることは、私にとっては非常に大きなことです。

例えば、CIOの皆様が考えるCIOになるために必要な素養や経験等はもちろん一朝一夕では得ることができませんが、自分自身が考えを深めるきっかけやアクションを考える上でのヒントになります。

私の場合は、CIOの履歴書やCIOシェアコラムの作成を通じて、情報システム部長とCIOの大きな違いとして、経営とITの橋渡しができるかどうか、経営の言葉でITに関する報告ができるかどうかであると認識しました。

情報収集をする中で、特に経営の言葉でITに関する報告をするとはどういうことなのか説明した情報にほとんど当たることができず、多くの人が明確に考えを持っていないのではないかと感じました。

そこで、今後私個人のテーマとして経営の言葉でITに関する報告をするということがどういうことなのかを紐解き、できるようになるためにはどのような知識や経験が必要なのか、検討を深めていきたいと考えています。

GPTechの社員としてCIOシェアリング協議会に関わることで、協議会活動の中で知り得た情報を、知るだけに留まらず、自分が望めば経験豊富な社員の方の力を借りながら自分の言葉で語れるレベルまで理解を深められること、自分が着手できるようなアクションに落とし込めることが利点だと感じています。

また、自身が深めた考えを本ブログやCIOシェアリング協議会のCIOシェアコラム等、様々な場で発信し、外部のリアクションを得られる環境が整っていることも大きなやりがいになっています。

さいごに

さいごに、私がCIOの履歴書のインタビューを担当する中で、特に心に残っているCIOの言葉を紹介します。

(ご自身のキャリアについて社内で発信を始められた背景について、)このメッセージは、特に自分の配下にいる「部下を持つ人」に読んでもらいたいと思っていました。 自分自身も「この人のもとで働いていてよかった、この人のために頑張りたい」と思ってもらえる人になりたいと思っていますし、部下を持つ人にはそうあってほしいと思っています。

木場武政さんの「CIOの履歴書」

CIOの仕事とは、朝早くから夜遅くまで席に座って指示をすることではなく、技術を正しく理解した上で決められない人たちの背中を押すことだと思っています。
簡単に判断をしているように見えて、決められないことを決めるためには日ごろからきちんと最新技術や経営状態を理解している必要があります。

田口慶二さんの「CIOの履歴書」(後編)

(SAPから富士通に移られた理由について、)同時に純粋なCIOだったら私は引き受けなかったと思います。企業全体の変革に本気で取り組むトップ(CEOがCDXOを兼務)をサポートする”CDXO補佐”の期待と役割があるから、お引き受けしました。CEOの時田から、「本気で会社を変えるから、CDXOの補佐をお願いしたい。”補佐”って格好悪いけど、DXは経営トップが自分でやるべき仕事だと思うから、補佐をお願いしたい」と。

福田譲さんの「CIOの履歴書」

CIOシェアリング協議会は、一般社団法人として登記して1年目となる2021年度には特に情報発信を行うための基盤整備に注力をし、WebサイトのリニューアルやSNSの運営等を行ってきましたが、日本社会のIT投資の成功、日本企業の成長に寄与していく基盤となる団体となるために、協議会として実現したい、実施したいことはまだまだ数多くあります。

特に現在の課題となっていることは、「CIOの履歴書」をはじめとするCIOシェアコラムのコンテンツの更新スピード向上や、会員様限定コミュニティの活性化等が挙げられます。

GPTechだけでなく、CIOシェアリング協議会の目的・ミッションや活動にご興味のある方は、ぜひ一度お話しする機会を頂ければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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