「ITガバナンスで公共サービスを変革する」公共公益ユニットインタビュー記事

「ITガバナンスで公共サービスを変革する」公共公益ユニットインタビュー記事

はじめに

今回は、現在(2024年10月時点)GPTechに存在する5つのユニットを紹介する採用記事の第三弾として、公共公益ユニットリーダーの渡辺へ、インタビューを実施しました。 GPTechのユニット概要についての記事は以下です。

本記事で実施したインタビューでは、主に以下の内容について語られています。

①公共公益ユニットがITガバナンスに力を入れる理由
②日本の公共組織におけるITガバナンスの現状
③公共公益ユニットが求める人材

「日本の公共組織に課題意識を持っている」「新しい挑戦としてコンサルティング・民間領域で経験を積みたい」と考えている求職者の方の参考になれば幸いです。

※この記事は、主に中途採用希望者向けに書かれていますが、新卒の方も入社後の働き方をイメージするための参考にしていただければと思います。

公共公益ユニットがITガバナンスに力を入れる理由

―最初に、公共公益ユニットが掲げているミッション、ビジョンを教えてください。

(渡辺)
公共公益ユニットが掲げているミッション、ビジョンは以下です。

ミッション:ITガバナンスによる公共サービス変革を実現する
ーITガバナンスにより、公共組織が国民・住民にとって意味のあるデジタル化を実現するー
ビジョン:公共領域におけるITガバナンスのエバンジェリスト
ー自分たち自身がITガバナンスの第一人者であるとともに、ITガバナンスの重要性を普及し仲間を増やす存在となるー

―ミッション・ビジョン両方とも「ITガバナンス」というワードが入っていますが、そもそも、ITガバナンスとはなにか教えていただいてもよろしいですか。

(渡辺)
ITガバナンスは、効果的なIT投資・評価が出来るよう組織的に統制することです。

ITガバナンスを構築・強化することにより、「最適な状態」で組織内のITを利活用することが出来ます。

「最適な状態」とは「既存システムを効果的に活用する」ことはもちろん、前段階に当たる「なにに投資するか」「どのようなシステムを作るか」「そもそも投資自体が必要か」などを、正しく検討できる状態のことです。

ITガバナンスが機能することで、発注者側が納得のいく個別システムの導入に繋がり、ひいては導入元の企業・公共機関の発展に繋がると考えています。

また、ITガバナンスが十分に整備されていない組織では、無駄な業務や意思決定の遅延が発生し、事業が前に進まない・プロジェクトが炎上するなどといった問題が発生してしまいます。

ITガバナンスを構築したからといって、全ての問題を解決できるわけではないですが、発生のリスクを軽減することは可能です。

ーありがとうございます。ミッション・ビジョンにもある通り、公共公益ユニットは、なぜITガバナンスを重視しているのでしょうか。

(渡辺)
公共領域に限った話ではありませんが、組織のITガバナンスが構築・強化されることで、GPTechが掲げる「IT体制の強化」を体現することが出来ると考えているためです。

個別システムの調達支援だけでは、発注者側がコンサルティングファームに丸投げする姿勢を是正することは難しいです。

一方、ITガバナンスの構築・強化支援では、組織の体制強化やルール整備を行います。そのため、発注者側が組織にとって効果的なIT投資・評価を行うことができ、「開発側に依存したシステム発注」からの脱却を実現する1つの方策なのです。

このようなことから、公共公益ユニットでは、ITガバナンスを重視するに至っています。

日本の公共組織におけるITガバナンスの現状

ーITガバナンスの重要性について理解することが出来ました。では、現在の公共組織におけるITガバナンスの実態について教えてください。

(渡辺)
公共組織におけるITガバナンスの状況は、中央省庁、独立行政法人、地方自治体によって異なりますが、全体としてITガバナンスに力を入れているとは言い難いです。簡単に説明をすると、以下のような状況です。

①中央省庁
各組織に、デジタル統括アドバイザーや全体管理組織(PMO)が設置されている。システム予算はデジタル庁にて一括計上されるため、他の公共組織と比較してITガバナンスは整備されているが、外形的に整備されている組織もある。

②独立行政法人
令和3年12月に公表された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」および「情報システムの整備及び管理の基本的な方針」によって、全体管理組織(PMO)の設置が求められるなど、ITガバナンスの整備に意識が向きはじめている。

③地方自治体
各組織でのCIO補佐官などのデジタル人材の登用や、国からの財政措置も影響して、個別システム調達などのITマネジメントレイヤーに力を入れている組織は増えている。ただし、中央省庁や独立行政法人とは異なり、制度上でITガバナンスが求められていないため、ITガバナンス構築に着手をしていない組織が多い。

制度上の追い風があるため、全ての中央省庁や独立行政法人のITガバナンスがきちんと整備されているのかと聞かれると、決してそうではありません。

デジタル統括アドバイザーや全体管理組織(PMO)などの設置はされていますが「調達仕様書や予算・見積のチェックはするが、中身の指摘まで踏み込むことが出来ていない」といった事例も多くあり、実態を伴っていないように見受けられます。

このように、地方自治体ではそもそもITガバナンスの構築が進んでいなかったり、中央省庁や独立行政法人ではITガバナンスを形だけ整えて満足している組織もあるなど、国全体として、ITガバナンスに係る取り組み状況は芳しくないのが実情です。

では、このような状況が起きてしまう理由は何かというと、ITガバナンスやポートフォリオマネジメントの重要性を理解していない組織の多さが挙げられます。このような状況を受け、ITガバナンスの重要性を普及する必要性を感じ、「ITガバナンスのエバンジェリスト」というビジョンを掲げるに至りました。

ー先ほどお話された、日本の公共組織におけるITガバナンスの状況を踏まえ、公共公益ユニットではどのような支援を行っているのでしょうか。

(渡辺)
公共公益ユニットとしては、形式的なITガバナンスの構築ではなく、クライアント組織の実情を踏まえたITガバナンスの構築を約束しています。

すでに弊社では、多数の独立行政法人へ向けてPMO支援を実施しており、支援実績の数としては業界No.1です。加えて、代表の坂本は農林水産省でITテクニカルアドバイザー(旧政府CIO補佐官)を務めるなど、公共組織のITガバナンスを熟知しています。

このような、GPTech全体が持つナレッジを総動員することで、クライアント組織へ価値を提供できると考えています。今後は、これまでのITガバナンスの構築・強化支援で蓄積した経験や知見を基に、中央省庁や地方自治体といった大規模な組織へ展開したいと考えています。

※現在、公共公益ユニットでは、ITガバナンスの構築・強化において、独立行政法人のPMO設置に係る支援を行っています。より具体的にサービス内容について知りたい方は下記をご覧ください。

公共公益ユニットが求める人材

―現在、公共公益ユニットにはどのようなメンバーがいるのでしょうか。また、人材の面で公共公益ユニットが抱える課題についても教えてください。

(渡辺)
現在、公共公益ユニットでは、コンサル経験の長いメンバー、自治体などの公共組織での経験が長いメンバー、新卒入社のメンバーなど、様々なバックボーンを持つメンバーが活躍をしています。

中途入社のメンバーは、即戦力として働いてもらうためにも、前職までの経験を加味してアサインするプロジェクトを決めています。中には、地方自治体職員時代、教育領域に携わっていた経験を活かして、GPTechでGIGAスクール事業を立ち上げたメンバーもいます。

もちろん案件の状況によるのですが、基本的には、これまでの経験や本人の希望を踏まえて、プロジェクトのアサインは決定されています。

また、人材の面で公共公益ユニットが抱えている課題としては、リーダー層が不足していることです。受注案件の数は順調に増えてきているものの、プロジェクトを取りまとめる人材が不足しているため、リーダー層に負担が掛かっています。

ーでは、公共公益ユニットが抱える課題を踏まえると、求職者には、主体となってプロジェクトを推進できる人材を求めているのでしょうか。

(渡辺)
現段階では、外部から優秀な人材を確保して補填することは考えていません。

やはり、現状のメンバーやこれから入るメンバーに、第二のリーダー層になってもらうことを期待しています。

また、公共公益ユニットでは、能力面で優れている人より、公共組織に対する自分なりの「思い」を持っている人と一緒に働きたいと考えています。

日本の公共組織を変えようとした場合、相当なエネルギーが必要です。また、公共組織側にも組織を変えようとする「思い」が必要になります。

そのため、公共組織の変革を目指す我々にも、それと同等以上の「思い」やパッションが求められてきます。このようなことから、公共公益ユニットでは、能力以上に各個人の「思い」を大切にしているのです。

現に、公共公益ユニットにいるメンバーは、全員下記のような「思い」を持っています。

・ユニットが掲げるビジョンに共感し、その一端を担いたいと考えている
・公共組織に対して課題意識があり、課題解決によって社会をよりよくしていきたいと考えている
・前職では「優秀だが思いのない人」が周りに多かったため、現職では「思い」を持った人と働きたいと考えている

上記で述べた「思い」を持った人に加えて、「思い」を実現するために貪欲さを持って学び続けることが出来る人を、公共公益ユニットでは求めています。

―ありがとうございます。GPTechの公共公益ユニットでは、どのような経験を積むことができるのでしょうか。

(渡辺)
公共公益ユニットでは、公共案件に付随する知見・経験が身につくことはもちろん、ポートフォリオマネジメントスキルやコンサルティングスキル、PMBOKの知識など、民間でも通用するスキルや考え方を身につけることができます。

GPTechは、CIOアウトソーサー日本代表を目指しており、公共公益ユニットでは、CIO補佐官、ITガバナンスレイヤーで活躍する人材の輩出を目標としています。

CIO人材として活躍をするためには、個別システムの発注以外にも、ITガバナンスに関する知見・経験が求められます。そのようなことを踏まえ、公共公益ユニットのメンバーには、個別システムの発注支援と、ITガバナンス構築・強化支援の両方を経験していただいています。

世の中を見渡してみると、個別プロジェクトのPM・PLとして優秀な人は沢山います。しかし、ポートフォリオレベルで組織全体を管理するような、ITガバナンスレイヤーで活躍している人材は少ないのが現状です。

公共公益ユニットは、CIO人材やITガバナンスレイヤーで活躍できる人材を増やし、価値のある公共サービスを提供できる公共組織を増やすことで、日本全体の発展に貢献することを目指していきます。

ーありがとうございました。最後に、求職者の方へのメッセージをお願いいたします。

(渡辺)
コンサルタントの仕事は、クライアントを成長させることです。

ただし、公共組織をクライアントとする場合は、その先の国民や住民へのサービスも視野に入れる必要があり、それが仕事の難しさであり面白さでもあります。

多くの公共組織が今、危機に瀕しています。

DXにより業務が効率化される一方、クラウド移行やセキュリティ対策など、職員に求められるスキル水準は高くなっています。また、少子化により職員数は減少し、失敗が許されない環境の中、働き方改革も求められるなど、職員が疲弊している組織が多くなってきています。

そのような現状を打破するために、組織は変わっていく必要があり、その変革をITガバナンス、ビジネスアナリシス、プロジェクトマネジメント等のスキルを活用して支援していくのが我々の仕事です。

そのためには、ITガバナンスの向上によって業務の精度や効率性を高め、職員の負荷を軽減し、住民サービスの向上につなげていきたいという、「思い」やパッションが必要になります。

世の中には、高いスキルを持ったコンサルタントは数多くいますが、スキルとパッションを合わせ持ち、社会の変革まで考えるコンサルタントは数少ないです。

そして、その数少ないコンサルタントに我々はなろうとしています。

公共組織を変革し、公共サービス変革を実現する。

ハードルは高いですが、その「思い」に共感し、一緒に成長していきたいと思っていただけるとありがたいです。

―これにて質問は以上です。ありがとうございました。

最後に

本記事で、ITガバナンスで公共組織の変革を目指す公共公益ユニットへ、興味を持っていただければ幸いです。

公共組織出身のメンバーも多く、どのメンバーも自分なりの「思い」を持ちながら、コンサルティング業務に打ち込んでいます。

「日本の公共組織に課題意識を持っている」「新しい挑戦としてコンサルティング・民間領域で経験を積みたい」方の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また、公共公益ユニットに所属している社員を対象とした「1日の働き方インタビュー」も下記からご確認いただけます。

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