新米コンサルタントこそ習得すべき!WBSとは何か?

こんにちは、GPTech新卒3期生の杉本です!
https://blog.gptech.jp/post-1301/
先日、新卒研修でWBS研修を受講しました。WBS とは仕事を効率よく進めるための手法です。
仕事でプロジェクトに携わる新卒社員にとって、WBSを使いこなすことは仕事を進める上でもとても大事な要素です。
そこで、本記事では、研修でどのようにWBSを学んだのか、WBSを活用するメリット、WBSを用いる際に気を付けたいポイントをご紹介します。
WBSとは何か
仕事を分解してタスクに落とし込む手法
WBSとはWork Breakdown Structure の略で、仕事を分解してタスクに落とし込むための手法です。
“Work Breakdown Structure (WBS、作業分解構造)は、プロジェクトを理解し管理する上で、プロジェクトの各工程を各担当者の作業レベルまで展開し木構造にまとめたもの。”
wikipediaより引用
言い換えると、大きなプロジェクトを、「すぐに取り掛かることのできる作業レベルまで落とし込んだ木構造のこと」をWBSといいます。木構造で分解することによって、プロジェクトの理解・管理が容易になります。

規模の大きいプロジェクトは、「まず何から手を付ければよいのかわからない」ということがしばしばあります。そのようなプロジェクトではWBSは非常に効果的です。
例えば「カレーを作る」というプロジェクトを考えてみましょう。
WBSではプロジェクトをまず大分類に分解します。カレーの場合であれば、「カレーのレシピを決定する」「材料を買う」「調理する」という三工程に分解されます。そしてその大分類をさらに細かく分けることができます。

ここまで分解すれば、カレーを作ったことがない人でも何から取り掛かればいいのか一目で理解できます。
作業WBSと成果物WBS
WBSは分類の方法によって2種類あります。
前節で示したカレーの例は、作業を分解する「作業WBS」といいます。
もう一つが、成果物で分解する「成果物WBS」というものです。カレーの例で説明すると、成果物の大分類は「カレーのレシピ」「材料」「完成したカレー」となります。

作業WBSと成果物WBSを両方作成し、工程と成果物を照らし合わせることで抜け漏れをなくすことが理想的なWBSの活用方法です。
WBS研修の内容
GPTechの業務でもWBSはよく用いられます。WBSを使いこなせるようになるために、新卒研修でも5時間のプログラムが用意されています。
プログラムの内容は、講師から提示されたテーマに対し約50分でWBSを作成し、レビューを先輩社員から受けます。これを3度繰り返すというものです。
今回実施したテーマは以下の三つです。
- 新型コロナ濃厚接触発覚時の対応
- 新卒研修の準備
- 大学生活の準備
例として、1つ目の「新型コロナ濃厚接触発覚時の対応」というテーマを取り上げてみます。

まず、大分類を「自分に対する対応」「会社に対する対応」「家庭に対する対応」「交友関係への対応」と分けました。
ある日突然自分が濃厚接触者だと判明したら、何から手を付けてよいかわからなくなると思います。しかし、対応すべき対象ごとに分類してみると、考える範囲が限定されるため、答えを導き出しやすくなります。
実際は複数のタスクが同時に走っていることことが想定されますが、便宜上、より優先度の高い順、順序の早い順に整理します。
こうすることで、最下層(一番右側の列/最も細かい粒度のタスク)をそのままToDoリストとして使うことも可能です。

今回の研修ではテーマを変えて3度繰り返し演習を行うことで、回を追うごとにWBSの作成が上達しているのを実感しました。
WBSは日常のあらゆることに適用することができます。実際に業務で使用する前に、日常生活の中でタスクに分解する癖をつけることで、より早く漏れなくWBSを作成することができます。
WBSのメリット
WBSを使うことのメリットを以下の三点にまとめました。
- 仕事の抜け漏れ防止
- 責任者/成果物の明確化
- WBS的思考の訓練
それぞれ解説していきます。
仕事の抜け漏れ防止
プロジェクトにとりかかる前に、WBSを作成しておけば仕事の抜け漏れは少なくなります。カレー作りのWBSを作成し、レビューを受けたうえでその通りに実行すれば、お米を炊き忘れるなんてことは起こりえません。
ここで重要な点は、プロジェクトに取り掛かってからもWBSを更新し続けることです。実際にプロジェクトを始める前と始めた後では視点が変わり、見えなかったものが見えるようになります。
定期的にWBSを見直し更新することで、仕事の抜け漏れリスクは限りなく小さくなります。
責任者/成果物の明確化
WBSはチームで効率よくプロジェクトを進めるのにも非常に有効です。それは、プロジェクトを分解し、一つのタスクにまで落とし込むことで、責任者を明確に設定することができるためです。
最下層のタスクにはそのタスクから得られる成果物を紐付けることができます。タスクと成果物を紐付けることで、何をやるかが明確になります。
よくプロジェクトは生き物に例えられますが、入念に準備をして進めたとしても、当初の計画通りに最後までことが進むとは限りません。そのため誰が何をやるかを明確にしておくことは、タスクを宙ぶらりんの状態にしない対策でもあるため、チームで仕事を進めるうえで非常に重要なポイントになります。
WBS的思考の訓練
WBSを単なるタスク管理のツールではなく、思考法の一つとして捉えることもできます。
コンサルタントにはMECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)という考え方が求められます。これはモレなくダブりなくという意味で、論理的に思考するために必要となる概念です。
WBSを作成するときにはMECEになっているかどうかを常に意識します。プロジェクトに取り掛かる前にWBSを作成する癖をつけておくことで、自然とMECEの訓練にもなります。
WBS作成のポイント
私は今回の研修で初めてWBSを作成しました。そこで感じた、気を付けておきたいポイントを二点ご紹介します。
順序に沿う
まず1点目は「順序に沿う」ことです。
WBSでは順序も重要な要素です。実際の順序に沿って業務内容をイメージし分解することで、抜け漏れなく業務を洗い出すことができます。そして、分解した最下位のタスクを順序通りに実行することで、プロジェクトを進めることができます。
もし、順序がバラバラであれば、プロジェクト未経験者はどのタスクから取り掛かれば良いのかわからなくなります。これではWBSを作成する意味がなくなってしまいます。
WBSを作成する際は、実際の業務の流れに沿って整理することが重要です。
レビューを受ける
2点目は「レビューを受ける」ことです。
今回研修で行ったワークのうち、私たち3期生が実際に経験したことがあるものは「大学生活の準備」だけでした。残りの「新型コロナ濃厚接触発覚時の対応」と「新卒研修の準備」は全く経験のないことです。
当然ながら実体験があるものは、プロジェクトの進め方がイメージしやすく、サクサク分解することができます。
一方、経験がないプロジェクトでは進め方のイメージがわかず、大分類に分けることすら難しいということもあります。そのような場合でも、プロジェクトを想像しながら一つずつ必要な要素を洗い出していきますが、それでも抜け漏れは発生しがちです。
そのため、完成したWBSはプロジェクト経験者にレビューを依頼することお勧めします。レビューを受けることで自分の認知の漏れに気づき、思考の癖を把握することができます。

そのような手順で抽象化や可視化を進めれば、未経験プロジェクトでも抜け漏れがなくなっていくはずです。
まとめ
今回の研修を通して、仕事を効率よく進めるのにWBSは非常に有効だということを実感しました。
特に私たち新入社員は、初めのうちはすべての業務が未経験です。未経験の仕事は抜け漏れが発生しやすいことは明らかです。
普段からWBSを活用する癖をつけることは、抜け漏れをなくし、論理的思考力を身に着けることに繋がります。新入社員だからこそ、WBSを活用することはいち早く戦力になるために必要なことだと感じました。
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